Mouthpieceマウスピース型矯正装置（インビザライン）
マウスピース型矯正装置（インビザライン※）とは
マウスピースのように取り外しが可能な矯正装置を装着していただき、歯を動かしていく治療方法です。マウスピース型矯正装置（インビザライン）は半透明なプラスチックから作られており、歯に装着しても目立ちません。使用したまま外出してもほかの人に気づかれにくいので、お仕事やプライベートでも口元を意識することなく普段どおりに過ごせます。また、装置をご自身で取り外して食事をいつものように楽しめ、歯磨きの際もしっかりと歯を磨けます。装置が邪魔にならないので虫歯や歯周病になりにくく、歯を健康に保てます。金属アレルギーの心配もありません。
しかし、インビザラインは基本的に食事と歯磨きのとき以外は装着していただきます。1日の装着時間が短すぎると、計画どおりに治療を進められません。高いモチベーションを保ちながら装着していただくことで、想定していた期間で治療を終えることができます。
※マウスピース型矯正装置（インビザライン）は薬機法対象外の治療機器です。
歯を動かすメカニズム
マウスピース型矯正装置（インビザライン）は、まず患者さまの歯型をデータ化して専用のソフトで解析します。これをもとにきれいな歯並びとなるゴールを設定し、マウスピースを数十枚作製します。これらのマウスピースは段階ごとに少しずつ異なる形状をしており、取り替えていくことで歯に負荷がかかるようになっています。
歯が動くメカニズムはワイヤー矯正と似ています。歯に力を加えると、力が加わった方では歯根と骨の間にある歯根膜が伸びて、隙間を埋めようとして骨が生成されます。その反対側では歯根膜が縮まることで骨の吸収が起きるというサイクルができ、これを繰り返すことで歯が少しずつ動いていきます。インビザラインは弱い力を継続的に加えていく仕組みになっており、時間はややかかるものの歯の移動量を調整しやすくなっています。
マウスピース型矯正装置（インビザライン）のメリット・デメリット
メリット
金属製のワイヤー矯正と異なり、マウスピース型矯正装置（インビザライン）はプラスチックで作られた半透明なものとなっています。しかも薄く作られているため装着しても目立たず、外出してもほかの人の視線が気になりません。
ワイヤー矯正で使用する装置は、歯科医院に行かなければ外せません。一方、インビザラインはご自身で取り外しできるので、食事のときは普段どおり楽しめます。歯磨きのときも装置が邪魔にならず、隅々まで磨けます。
インビザラインは特殊なプラスチックで作られています。一般的な矯正装置は金属製のため金属アレルギーを発症する不安が残りますが、インビザラインは非金属製なのでそのような心配はありません。すでに金属アレルギーをおもちの方も安心して装着できます。
治療に慣れてきたら、インビザラインを複数枚まとめてお渡しします。治療の段階が進むごとにご自身で取り替えていただくシステムになるので、装置をつけ替えるために通院する頻度が少なくなります。遠方からお越しの方は通院の負担が少なくなります。
デメリット
インビザラインで計画的に治療を進めるためには、1日のうちほとんどの時間において装置を装着していなければなりません。「違和感があるから」などの理由で外していると歯が適切に動かないので、しっかりと自己管理しながら装着しなければなりません。
インビザラインは歯の移動距離が少ないケースなどには向いていますが、歯の移動距離が大きい、骨格そのものに問題があるといった症例には向かないことがあります。検査結果を分析したうえで、インビザラインによる治療が可能か判断いたします。
3Dデジタルによる治療法
3D口腔内スキャナー（iTero）
マウスピース型矯正装置（インビザライン）の特長のひとつが、3D口腔内スキャナー（iTero）を使った歯型の採取です。小さなスキャナーで歯列をなぞっていくだけで、歯型のデータを取り込めます。シリコンなどの印象材のように、嘔吐反射が起きることはほとんどありません。iTeroは10分ほどで精密に歯型を取れるため、患者さまの負担が少なくなります。
取り込んだデータはすぐにモニターでチェックできます。患者さまの歯型を立体的なイメージで再現し、歯科医師がその場で歯列の状態などを詳しくご説明します。
3Dシミュレーションソフト（クリンチェックソフトウェア）
iTeroで取り込んだ歯型のデータをもとに、矯正治療のシミュレーションをモニター上で再現します。このソフトを3Dシミュレーションソフトウェア（クリンチェックソフトウェア）といいます。矯正治療によって歯並びがどのように変化していくのか、立体的なイメージで確認できます。治療のゴールとなる歯並びを患者さまと確認しますので、ご希望どおりに調整することもできます。3Dシミュレーション（クリンチェック）によって精密な治療計画が立てられ、大きなズレもなく矯正治療を進められます。
マウスピース型矯正装置（インビザライン）の治療の流れ
1カウンセリング
まずは患者さまがどのようなことにお悩みなのか、じっくりお話を伺います。また、お口の中も拝見し、マウスピース型矯正装置（インビザライン）による治療がどのようなものなのか説明いたします。このとき、歯列が大きく乱れているようであればほかの治療方法をご提案する場合があります。疑問や不安なことなどがありましたら、ご質問に答えますのでお聞かせください。カウンセリングを受けてみて矯正治療を始めたいと思いましたら、次のステップに進みます。
2精密検査
矯正治療を行なううえで大切なのは、丁寧に精密検査をすることです。歯列だけでなく骨格の状態なども確認し、お口の中とお顔を撮影します。また、レントゲンやCTで骨の状態などをチェックして噛み合わせを調べます。検査のときに虫歯や歯周病が見つかった場合、先にそちらを治療する場合があります。
3歯型の採取
iTeroとよばれるスキャナーを使って歯型をとります。歯をなぞるようにするだけで歯型のデータを取り込めるので患者さまへの負担はほとんどありませんが、もし嘔吐反射などが心配なようでしたらお伝えください。
歯型の採取が終わると、その場で患者さまの歯の様子をモニターに映し出します。歯のイメージを見ながら歯科医師がご説明しますので、不明点などがございましたら遠慮なくお話しください。
4シミュレーション
歯型のデータを使って治療のシミュレーションを行ないます。3Dシミュレーションソフトウェア（クリンチェック）を使うことで、歯がどのように動いていくのか立体的なイメージで確認できます。最終的な歯並びの仕上がりを確認していただき、調整したいポイントがございましたらお伝えください。シミュレーションの結果をもとにしてインビザラインを作製します。
5治療スタート
完成したインビザラインを患者さまにお渡しし、治療スタートとなります。最初に装着しなければいけない時間や、取り替えるタイミングなどについてお話します。装置の装着に慣れてきたらインビザラインを多めにお渡しし、ご来院いただく間隔をあけていきます。ご自身での取り替えもスムーズにできるようになれば、通院する負担も軽減されます。
6保定とメンテナンス
インビザラインによる矯正治療が終わっても、治療が完了するわけではありません。動いた歯はもとの位置に戻ろうとするため、リテーナー（保定装置）をつけて歯が動かないようにします。継続的に保定していただき、骨が安定してきたらリテーナーを装着する時間も徐々に減らしていきます。保定後は噛み合わせなどの確認をするため、定期的にメンテナンスを受けていただきます。
・機能性や審美性を重視するため自費（保険適用外）での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1～2週間で慣れることが多いです。
・治療期間は症例により異なりますが、成人矯正や永久歯がすべて生え揃っている場合は、一般的に1年半～3年を要します。小児矯正においては、混合歯列期（乳歯と永久歯が混在する時期）に行なう一期治療で1～2年、永久歯がすべて生え揃った後に行なう二期治療で1～2年半を要することがあります。
・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
・矯正装置を誤飲する可能性があります。
・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物（被せ物など）の一部が破損することがあります。
・装置を外した後、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
・装置を外した後、現在の噛み合わせに合わせて補綴物（被せ物など）の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
・顎の成長発育により、噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
・治療後に親知らずが生えて、歯列に凹凸が生じる可能性があります。
・加齢や歯周病などにより歯を支える骨が痩せると、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。その場合、再治療が必要になることがあります。
・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
・機能性や審美性を重視するため自費（保険適用外）での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・正しい装着方法で1日20時間以上使用しないと、目標とする治療結果を得られないことがあるため、きちんとした自己管理が必要になります。
・ご自身で取り外せるため、紛失することがあります。
・症状によっては、マウスピース型矯正装置で治療できないことがあります。
・お口の中の状態によっては、治療計画どおりの結果が得られないことがあります。
・装着したまま糖分の入った飲料をとると、虫歯を発症しやすくなります。
・治療によって、まれに歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
・食いしばりの癖が強い方の場合、奥歯が噛まなくなることがあります。
・治療途中で、ワイヤーを使う治療への変更が必要になることがあります。
・お口の状態によっては、マウスピース型矯正装置に加え、補助矯正装置が必要になることがあります。
・治療完了後は後戻りを防ぐため、保定装置の装着が必要になります。
・薬機法（医薬品医療機器等法）においてまだ承認されていない医療機器です。日本では完成物薬機法対象外の装置であり、医薬品副作用被害救済措置の対象外となることがあります。
当院でご提供しているマウスピース型矯正装置「インビザライン」は、薬機法（医薬品医療機器等法）においてまだ承認されていない医療機器となりますが、当院ではその有効性を認め、導入しています。
○未承認医療機器に該当
薬機法上の承認を得ていません（独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2022年12月21日最終確認）。
○入手経路等
インビザライン・ジャパン株式会社より入手しています。
○国内の承認医療機器等の有無
国内では、インビザラインと同様の性能を有した承認医療機器は存在しない可能性があります（独立行政法人 医薬品医療機器総合機構ウェブサイトにて2022年12月21日最終確認）。
○諸外国における安全性等にかかわる情報
情報不足のため、こちらではインビザラインの諸外国における安全性等にかかわる情報は明示できません。今後重大なリスク・副作用が報告される可能性があります。
なお、日本では完成物薬機法対象外の矯正装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※当該未承認医薬品・医療機器を用いた治療の広告に対する注意事項の情報の正確性について、本ウェブサイトの関係者は一切責任を負いません。
・薬機法（医薬品医療機器等法）において承認された医療機器であり、おもにマウスピース型装置（インビザライン）による治療を行なう工程で歯型をとるために使います。
・iTeroを使用して行なうマウスピース型装置（インビザライン）による治療は、自費診療（保険適用外）となり、保険診療よりも高額になります。
・印象剤を使用した従来の印象採得に比べ、印象採得時の不快感は大幅に軽減されますが、お口の中にスキャナーが入るため、ごくまれに多少の不快感を覚えることがあります。
・クリンチェックソフトウェアは薬機法（医薬品医療機器等法）において承認された医療機器であり、おもにマウスピース型装置（インビザライン）による治療行なう工程で歯の移動シミュレーションをするために使います。
・クリンチェックソフトウェアを使って行なうマウスピース型装置（インビザライン）による治療は、機能性や審美性を重視するため自費（保険適用外）での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・どの矯正歯科医が担当しても同じ治療結果が得られるというわけではなく、必ずしもシミュレーションどおりに治療が進むというわけではありません。
・あくまでシミュレーションなので、実際には難しい歯の移動が組み込まれていると、歯が骨からはみ出して歯肉が下がってしまうなどの可能性があります。